Webエンジニアの年収・キャリア・将来性を徹底比較【フロントエンドVSバックエンド】
Webエンジニアの増加や、開発自動化ツールの登場など、Webを取り巻く環境は刻々と変化しています。Webサービスの構築に携わるフロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアの中にも、キャリアの将来性に不安を感じる方が少なくないようです。
実際にフロントエンドとバックエンドのどちらに将来性があるのか、気になる方は多いでしょう。
今回の記事では、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの平均年収やスキルの習得難易度、人材ニーズ、将来性を徹底比較。将来を考え、今後習得すべきスキルとキャリアパスを紹介します。
フロントエンド・バックエンドエンジニアを徹底比較
さっそく、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの年収、スキル習得難易度、人材ニーズと将来性を比較してみましょう。
年収
複数の転職・人材派遣サービスから算出した、フロントエンド・バックエンドエンジニアの平均年収と案件単価相場は以下のとおりです。
フリーランスを含めた平均年収では、フロントエンドとバックエンドはほぼ同水準ですが、案件単価相場はバックエンドエンジニアの方が高めです。フリーランスのバックエンドエンジニアは、正社員より報酬が高い傾向にありますが、収入に波があり、正確な実態は把握できません。
ただし同じ領域のエンジニアの間でも、保有スキルや経験・実績により収入に差があることも事実です。上流工程の経験があるかないかによっても収入に差がつき、中には年収1,000万円を超えるエンジニアもいます。
特にフロントエンドに関しては、近年のプログラミングブームでエンジニアを目指す人が増えた結果、フロントエンド領域の人材数が増加しています。難易度の低い案件に関しては競争率が高く、単価が低く抑えられているようです。
対するバックエンドエンジニアのデータベース管理・運用・保守の仕事は、フロントエンドより求人自体は多くありません。一方で、習得難易度が高いために競争率が低く、仕事の単価が高く保たれやすいといえます。
年収ベースだけで見た場合には、フロントエンド・バックエンドの領域よりも、スキルや経験、実績で差がついているようです。
スキル習得難易度
次に、フロントエンドとバックエンドのスキル習得難易度を比べてみましょう。両者の使用言語と保有スキル、習得難易度は以下のとおりです。
フロントエンドではデザイン実装やUI/UX、バナーや画像の設定・開発など、ユーザーの目に見える部分の開発・実装を行います。対するバックエンドでは、データベースやインフラ、サーバーといったWebサイトの裏側の実装と運用・保守・改修を扱う点が両者の違いです。
一般にはバックエンドのほうがフロントエンドよりも、扱う領域が広範なため、習得すべきスキルが多い分、習得難易度が高いといわれます。フロントエンド領域に関しては、近年初心者向けの教育プログラムが増えたため、ゼロから知識とスキルの習得がしやすくなりました。
どちらの領域も共通して、常に新しい技術や手法、フレームワークの学習が欠かせませんが、初心者が取り掛かるには、フロントエンドからのほうが容易といえそうです。
人材ニーズと将来性
続いて、フロントエンド・バックエンドエンジニアの人材ニーズと将来性を比べてみましょう。
フロントエンドエンジニアは、WebサイトやLP制作の案件数が多く、人材需要も高いといえます。Webサイトやアプリの制作・運用を依頼する企業や官公庁は、今後も増え続けることが予想されるため、将来的にも高い需要が続きそうです。
一方のバックエンドエンジニアは、希少性があることからも、引き続き高い人材ニーズで推移すると考えられます。
ただしフロントエンド・バックエンドを問わず、新しい技術や手法を取り入れられるかどうかで、エンジニアとしての市場価値に差が生じます。近年のクラウドサービス移行や、Webサイトの高度化・複雑化といったトレンドに応じて、常に新しいスキルの習得は必須といえそうです。
Webエンジニアの市場価値を高めるおすすめのスキル
フロントエンド・バックエンドエンジニアの将来性を踏まえ、現状からキャリアアップを図るには、まず今後何をすべきか整理する必要があります。
ここでは、フロントエンド・バックエンドのエンジニアが将来の市場価値を高めるために、今身につけるべきおすすめのスキルを紹介します。
フロントエンドエンジニアにおすすめのスキル
フロントエンドエンジニアがキャリアアップするために、以下のスキルをプラスすることをおすすめします。
- UI/UX設計
- CMS構築
- サーバーサイドの言語と知識
- SPA・PWA・BaaSなどの先端スキル
- マネジメント
Webサイトの高度化・複雑化にともない、これからはデザインやサーバーサイドを把握し、コーディングできるフロントエンドエンジニアが求められます。特にUI/UXはニーズが急上昇しており、設計・構築ができるエンジニアは高く評価されるでしょう。
また、CMSの構築スキルも近年注目されています。CMSは専門知識がなくてもサイトを更新でき、クライアントのニーズが高まっているためです。フロントエンドと並行してCMSを構築できると、制作がよりスムーズに運びます。
サーバーサイドのスキルを習得することも、Web制作を幅広く把握できるようになるため、キャリアアップにおすすめです。さらにSPA(Single Page Application)の構築スキルやPWA(Progressive Web App)の知見、BaaS(Backend as a Service)などの先端スキルを習得すれば、転職時の強い武器になるでしょう。
もし上流工程を目指すなら、サイト制作全体の流れも身につける必要があります。サイト設計や要件定義を意識したコーディングができるようになれば、ステップアップへの足がかりを作ることも可能です。
バックエンドエンジニアにおすすめのスキル
一方のバックエンドエンジニアがキャリアアップするためには、市場価値を高める以下のスキルの習得をおすすめします。
- 要件定義
- サーバー構築
- データベース構築
- クラウドスキル(AWS・Azure・GCP)
- フロントエンドの基本(HTML・CSS・JavaScript)
- フレームワーク(Django・Ruby on Rails・Spring Boot)
- CMS構築
- APIの利用・連携
近年はクラウド上の開発需要が高く、AWSなどのクラウド開発スキルを持つ人材は重宝されます。各種サービスサイト開発では、データベースを扱えるエンジニアも高需要な人材です。
さらに、プログラム同士をつなぐAPI連携スキルを習得すれば、サービスのシームレス化でユーザーの利便性を高められるため、エンジニアとしての価値が高まります。
プラスアルファのスキルとして、上流工程からのサイト制作全体の流れを把握できると、スムーズな制作に貢献でき、キャリアアップにつなげやすくなります。クライアントとのヒアリングにおいて、認識共有を円滑にするために、コミュニケーションスキルを磨くことも重要です。
自分のスキルを周辺領域へ拡張していけば、エンジニアとしてだけではなく、各分野のスペシャリストをつなぐ役目も果たせるでしょう。
フロントエンド・バックエンドエンジニアのキャリアパス
制作エンジニアとして先に紹介したスキルを習得するためには、現職に従事する傍ら学ぶほかに、転職して実務から学ぶ方法もあります。
ここでは、フロントエンド・バックエンドエンジニアの市場価値を高める最適なキャリアパスを紹介します。
フロントエンドエンジニアのキャリアパス
まず、フロントエンドエンジニアが目指せるキャリアパスの可能性を紹介します。
【スペシャリスト系】
- Webデザイナー
- UI/UXエンジニア
- バックエンドエンジニア
【ジェネラリスト系】
- チームリーダー
- マネージャー
【ジョブチェンジ系】
- プロダクトマネージャー
- Webコンサルタント
- Webマーケター
フロントエンド領域のスペシャリストを目指すなら、専門性を高めながら、周辺領域の業務を巻き取り、できる業務を増やすことをおすすめします。デザインやUI/UX、バックエンド領域まで手がけられるエンジニアは、制作面で特に重宝される人材になれるでしょう。
広く制作現場を把握できたら、制作からチームリーダーやマネージャーへ移行することもおすすめです。テクニカル面から制作物の品質を管理する、プロダクトマネージャーとしての道も考えられます。
Webサイト制作でマーケティングへの関心が高まったら、マーケターを目指すとよいでしょう。施策を実現できる技術を知るマーケターは、貴重な人材です。
バックエンドエンジニアのキャリアパス
続いて、バックエンドエンジニアが目指せるキャリアパスを紹介します。
【スペシャリスト系】
- システムアーキテクト
- スマホアプリエンジニア
- セキュリティエンジニア
- 組み込みエンジニア
- テックリード
【ジェネラリスト系】
- プロジェクトマネージャー
【ジョブチェンジ系】
- Webマーケター
- ITコンサルタント
幅広いスキルと知見を持つバックエンドエンジニアは、1つひとつの専門性を高める方向性でも、さまざまなキャリアパスを選択可能です。
プロジェクトマネージャーとして管理側に回っても、システム全般と開発を把握しているため、スムーズなプロジェクト運営ができるでしょう。
Webマーケターやマーケティングエンジニアへ転職した場合は、データ領域のスキルを分析に活かした活躍が期待できます。消費者のニーズを開発にフィードバックできる、希少な人材となれるでしょう。
共通のキャリアパス
最後に、フロントエンド・バックエンドの両方から目指せる主なキャリアパスを紹介します。
- フルスタックエンジニア
- Webディレクター
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアはフロントエンド・バックエンド・サーバーすべての領域を扱う職種で、「マルチエンジニア」とも呼ばれます。
OS・ミドルウェア、クラウドサービスの知識のほか、近年はスマホアプリ開発のために、Swift・Kotlin・Javaのスキルを求められる案件も多くなりました。
通常は分業して行う工程を1人で担ってくれるため、現場にとってはコスト削減と効率的な開発ができ、重宝な人材です。実際の転職者からは「フロントエンド・バックエンドの両方を依頼された」との声も多く聞かれています。
フロントエンドエンジニアはバックエンド領域を、バックエンドエンジニアはフロントエンド領域を習得できれば、重宝される高需要人材を目指すことが可能です。
Webディレクター
Webディレクターは、Web制作をトータルで管理する責任者で、現場監督でもあります。
クライアントの要望をクリエイターへ的確に伝達し、クライアントと制作現場をつなぐ役割を果たします。また、プロジェクトのヒト・モノ・カネを管理するのもWebディレクターの仕事です。
プロジェクトを円滑に管理・進行するために、WebディレクターにはWeb全般の知識とスキルが必要です。またチーム運営と、クライアントとの情報共有を円滑に行うために、Webディレクターには高度なコミュニケーションスキルが求められます。
Webディレクターを目指すならば、日頃から上流工程を意識し、エンジニアとしての業務の中でクライアントや他のセクションとコミュニケーションを深め、連携を強めるとよいでしょう。アシスタントディレクターの仕事に就いて、実務から学ぶこともおすすめです。
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フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニアのどちらにも、フルスタックエンジニアやWebディレクターなどの多様なキャリアパスがあります。
もし現状の年収や仕事内容、仕事の将来性に満足していないのであれば、キャリアアップにつながる新しい領域で仕事に就き、スキルを習得することをおすすめします。
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