SESで働くメリット・デメリットは? 「未経験でもWebエンジニアに」
最近は、未経験からWeb系エンジニアをめざす人が増えています。IT企業に正社員で転職するのが難しければ、SESで実務経験を積んでから、Web系のエンジニアをめざすというルートがあります。しかし、「本当に、SESで必要なスキルを身につけられるのか」「携わりたいプロジェクトを選べるのか」など、さまざまな不安があるという人もいるでしょう。
今回は、プログラマーやSEが未経験からWebエンジニアになるために、SESでキャリアを積むメリットと、SES企業の選び方、学んでおくべきことを解説します。
SESからWebエンジニアに転職は可能
結論から言うと、SESからWebエンジニアに転職することは可能です。ただし、簡単ではありません。現在、未経験者の募集が多いのは、業務系システムの下請けの仕事が多いSES企業です。入社してから、JavaやC#などの業務系言語をマスターして、ウォーターフォール型の開発に携わるのが一般的です。
一方、最近のWeb系エンジニアは、PHPやRubyなどのWeb系言語が必要とされる案件が増えています。アジャイル開発など、プロジェクトも多様化しており、顧客のオーダーへの柔軟な対応が求められます。SES企業の選び方を間違えると、必要な言語やスキルが身に付かないまま、小規模開発や保守・運用の仕事を続けることになりかねません。
Web系の案件が多いSESであれば、HTML・CSSなどの知識や、ロジカルシンキング能力を高めることができます。将来どうなりたいか、そのためにどんなスキルが必要かを具体的にして、適切な経験と技術を身につけられる場を選ぶようにしましょう。
SESで働くメリット
Web系の開発未経験からWebエンジニアをめざすなら、適切な実務経験を積めるSESでキャリアをスタートするという選択肢があります。SESで経験を積むメリットは以下のとおりです。
- 未経験でも正社員になれる
- さまざまな現場を体験できる
- 大手企業で働くチャンスがある
- 外部の人脈が広がる
未経験でも正社員になれる
SESで働くひとつめのメリットは、未経験でも正社員になれることです。
自社開発ではハイスキルの即戦力人材を求める傾向があり、特定言語での開発経験のないエンジニアでは応募できる会社や案件が少ないです。一方でSESには成果物の完成責任がないこともあって、未経験でもできる案件が多数あります。
経験が浅いうちは先輩と一緒に現場に入れるので、安心して業務に取り組めます。福利厚生付きの社員待遇なら、生活を安定させながら経験を積めるでしょう。
さまざまな現場を経験できる
SESで働く2つめのメリットは、さまざまな現場を経験できることです。
SESではプロジェクトごとにアサインされるため、さまざまな案件に携わることができ、そのなかで業界・サービスごとに必要な知識や開発手法を学べます。
最新の技術に触れるチャンスも多く、スキルの陳腐化を防げます。課題解決力を高めるという意志をもって多数の現場を経験できれば、トラブルや遅延時の対応スキルや知見などが蓄積され、次のステップに進む際にアピールできるポイントを増やせるでしょう。
大手企業で働くチャンスがある
SESで働く3つめのメリットは、大手企業で働くチャンスがあることです。
大手企業の自社開発で社員採用されるには、専門特化した開発経験が必要ですが、SESなら業界未経験でも、大企業の案件に携われる可能性があります。
大手やベンチャーの案件では最先端技術に触れる機会も多く、経験を積んでおけば後のキャリアにプラスに働く可能性が高くなります。
外部の人脈が広がる
SESで働く4つめのメリットは、外部の人脈が広がることです。
SESでは多彩な現場に出向しさまざまな人と一緒に仕事をするため、自然と仕事のコネクションが増えます。SESでつながった人脈を通じて、将来独立してから仕事の話を振ってもらえるケースも少なくありません。
機密保持義務に抵触しない範囲ですが、業界や仕事の情報交換ができることもSESの魅力でしょう。
SES企業で働くデメリット
SES(システムエンジニアリングサービス)で働くデメリットはいくつかあります。以下に代表的なものを挙げます。
- キャリアパスの不透明性
- 安定性の欠如
- スキルの限界
- 労働環境のコントロールが難しい
- 評価の難しさ
キャリアパスの不透明性
SESではプロジェクトごとに働く場所や内容が異なるため、特定のスキルや専門性を深めることが難しいことがあります。キャリアの方向性が不明確になることもあります。
安定性の欠如
SESは顧客企業に支援する形態が多いため、プロジェクトの終了とともに、次の現場に移動する必要があります。フリーランスの場合には、長期的な雇用の安定性が欠けることがあります。
スキルの限界
顧客企業のニーズに合わせた業務が中心になるため、SESエンジニア自身が希望するスキルを磨く機会が限られることがあります。また、新しい技術に触れる機会が少ない場合もあります。
労働環境のコントロールが難しい
SESエンジニアは派遣先企業で働くため、労働環境や業務内容に関するコントロールが難しい場合があります。自社のサポートが十分でないと感じることもあります。
評価の難しさ
SESエンジニアは派遣先の成果によって評価されるため、自社での評価基準と異なることがあります。また、派遣先のプロジェクト成功に貢献しても、自社での評価につながりにくいこともあります。
これらのデメリットを考慮し、SESでの働き方が自身のキャリアやライフスタイルに合っているかを慎重に検討することが重要です。
優良なSES企業を選ぶ4つのポイント
SESに対して「希望しない業務にアサインされる(案件ガチャ)」「開発をやらせてもらえない」「ブラック企業が多い」などのネガティブなイメージを持つ方もいるようです。しかし、以下のポイントを押さえて優良なSES企業を選べば、キャリアアップにつながる強力な武器を得られます。
- 研修制度が充実している
- 評価基準が明確
- 自社開発も行っている
- 大規模案件を多く抱えている
研修制度が充実している会社を選ぶ
優良SES企業を選ぶ1つめのポイントは、研修制度が充実している会社を選ぶことです。
社員の教育制度の充実度は会社によって違います。人材育成に力を入れないSES企業を選んだ場合、学習環境がないため、いつまで経ってもスキルが身につかないケースもあります。
しかし研修制度の充実した会社を選べば、自分が習得したいスキルの教育を受けられ、キャリアプランの実現につながります。未経験者やキャリアの浅い方は特に、スキルアップによって給料も上げられるので、研修制度の充実した会社を選ぶのがおすすめです。
評価基準の明確な会社を選ぶ
SES企業選びの2つめのポイントは、評価基準の明確さです。
SESでは客先で仕事をしているため、会社から活躍ぶりが見えず、評価されにくくなりがちです。会社によっては仕事の成果や貢献度が適切に評価されず、給料アップに結びつかないようなところもあるようです。
しかし評価の方法や基準が明確なSES企業を選べば、自分の業務貢献度やキャリアの方向性をしっかり見てもらえるため、待遇アップにつなげられます。
所属会社との係わりが希薄になりがちなSESでも、定期的に仕事の評価をしてくれる会社があります。社員を適正に評価する会社は、以下の施策を行っているケースが多いので、チェックしてみてください。
- クライアント企業に自社エンジニアの仕事ぶりをヒアリング
- 定期的に上司と面談する機会を設定
- 社員のスキルチェック
自社開発も行っている会社を選ぶ
SES企業を評価する3つめのポイントは、SES事業だけでなく自社開発も行っている会社を選ぶことです。
自社開発を行っているSESは技術力が高い企業が多く、開発実績が豊富な会社ほど良質な案件が多い傾向があります。2次、3次の下請けではなく、エンドユーザー企業や元請企業と契約している案件が多ければ利益率が上がり、売上の給料への還元率も高くなります。
自社開発をしている会社なら、自社の仕事にアサインしてもらえるチャンスもあります。自分のやりたいことと企業の自社サービスがマッチしていれば、希望通りの経験を積むことができるでしょう。
大規模案件を多く抱えている会社を選ぶ
優良なSESを見極めるための4つめのポイントは、大規模案件を多く抱えているかどうかです。
大規模案件での開発経験は転職市場での価値を高め、将来独立する際の信頼獲得にもつながります。プロジェクトを通じて高度な技術力や問題解決能力、チームビルディング力なども習得できるため、キャリアの可能性が広がるでしょう。
大規模案件を多く抱えている会社なら、今すぐ案件にアサインされなくても、スキルアップしてから携われる可能性もあります。
Webエンジニアとして活躍するためにSESでやっておきたいこと
Webエンジニアをめざすなら、SESにいるうちに以下の4つをやっておきましょう。
- 開発手法の違いを理解しておく
- Webシステムの基本を理解しておく
- Web系プログラミング言語を習得する
- 開発に必要となる環境ツールを習得する
Web開発の特性を把握しておけば、将来現場に入ってすぐに馴染めます。
開発手法の違いを理解しておく
SESにいるうちにやっておきたいことのひとつめは、開発手法の違いの理解です。以下のWeb開発手法について理解しておくと、Webエンジニア業務への移行がスムーズになります。
- アジャイル開発
- 計画・設計・開発・テスト・リリース・改良を素早く繰り返す手法(スクラム)
- 1人で設計からプログラムまで幅広くこなす能力
- モダン・トレンドの言語やフレームワーク
Web開発ではひとりで幅広い工程を担うケースが多いため、業務系システム経験者は戸惑うことも多いようです。早い段階でWebの開発手法をイメージしておきましょう。
Webシステムの基本を理解しておく
2つめは、Webシステムの基礎の学習です。以下のバックエンドの仕組みを早期に理解しておくことをおすすめします。
- セキュリティ
- サーバー
- データベース
近年のWebシステムやWebサイトは高度化・複雑化しており、フロントエンドとバックエンドの連携なくしては開発できません。Webシステム全体の構造を把握しておきましょう。
Web系プログラミング言語を習得する
3つめは、Web系のプログラミング言語の習得です。現場でニーズが高いWeb系のプログラミング言語には以下のものがあります。
- HTML/CSS ※必須
- JavaScript(React、Vue、Angularなどのライブラリ・フレームワーク)
- PHP(サーバーサイド)
- Ruby(サーバーサイド)
- Python(サーバーサイド)
このほかクライアントサイドではTypeScript、サーバーサイドではGO言語も需要が増えているのでおすすめです。携わりたい開発分野に合わせて学ぶ言語を選択しましょう。
開発に必要となる環境ツールを習得する
4つめは、開発に必要な環境ツールの習得です。Web開発においては、以下の開発環境ツールを使いこなす必要があります。
- Git/GitHub
- Linuxコマンド(インフラ構築・運用、アプリ開発に必要)
- IDE(Integrated Development Environment・統合開発環境)
開発するシステムによっては、言語に特化した環境ツールやエディタを使う場合もあるので、少しずつ覚えていきましょう。
リバミーで未経験からWebエンジニアへ
Webエンジニアに必要とされるスキルを身につけたい方は、SESで実際の業務に携わりながら技術力や知見を高めていくのが近道です。社員教育に力を入れているSES企業を選べば、多様な現場で実務経験を積みながら、着実にスキルアップを進められます。
リバミーは、自社開発・受託制作や、サービスの運用に加えて、SES事業では、大規模サイトの制作案件も多数請け負っております。なかなか転職活動では狭き門である大企業のサイト制作にもSESでは参画することができます。
未経験の方での一人ひとりのキャリアプランやこれまでの経験、今後習得したいスキルに応じて先輩エンジニアと共にアサインされることもあります。
また、、今後のキャリアの方向性を確認するために定期的な面談を実施しており、それぞれがめざすキャリアに近づくことが可能です。
受託案件、サービス、SESなどエンジニアとしての幅を広げたい方、どこでも通用するWebエンジニアをめざしたい方は、ぜひリバミーで一緒に働いてみませんか。